グランクレール

各種お申し込み・お問い合わせ

MENU

町田 修一

TOPINTERVIEW 町田 修一

町田 修一Shuichi Machida

順天堂大学大学院
スポーツ健康科学研究科
教授・医学博士

東京学芸大学大学院教育学研究科修了。東京女子医科大学にて学位取得(医学博士)。早稲田大学生命医療工学研究所講師、東海大学体育学部生涯スポーツ学科准教授、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科先任准教授を経て2018年より現職。運動生理学、体力医学、基礎老化学、リハビリテーション科学、栄養学など広くスポーツ健康科学分野に携わる。

「最近、歩く速度が遅くなった」「よくつまずく」などの変化を感じていませんか?
いつまでも自分らしく自立した生活を営むためには、筋肉の維持が欠かせません。
グランクレールの運動プログラムの監修を務める、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の町田修一先生に伺いました。

何歳からでも
筋肉は鍛えられます

1超高齢者社会において
「健康寿命の延伸」は
待ったなしの課題

超高齢社会の到来により、介護が必要な高齢者は年々増え、約640万人(平成30年厚生労働省)を超えています。高齢になると、加齢に伴い身体活動量が低下し、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)、サルコペニア(筋肉減少症)、フレイル(虚弱)など、気づかないうちに徐々に体が衰えていくという健康問題が生じます。こうした体の変化から、寝たきりや認知症につながりやすくなるのです。

健康で自立した生活を送ることができる年数を「健康寿命」といいますが、何年生きられるかを示す平均寿命と健康寿命の間には、現状で10年ほどの差が存在しています。これはつまり、介護を要する期間が平均で10年ほどあるということです。この差をいかに短くし、健康寿命を延ばしていくかということは、待ったなしの重要な課題です。

2ロコモティブシンドロームは
要介護の入口?

ロコモティブシンドローム(Locomotive Syndrome:運動器症候群)(略称ロコモ)とは、立つ、座る、歩くなどの基本的な動作に必要な体の筋肉や骨、関節、神経などが衰えて、移動機能が低下した状態をいいます。筋肉量が低下するサルコペニア、変形性関節症など関節の障害、骨が弱くなる骨粗しょう症などがロコモの原因となります。

ロコモが進行すると、歩くことが困難になって日常生活にも支障が生じ、要介護や寝たきりにつながる可能性も高くなってしまいます。実際に、介護が必要になる原因の35%以上がロコモに関連している運動器障害だという調査結果もあります(図)。

「最近、歩く速度が遅くなった」「姿勢が悪くなった」などの変化を感じたら、ロコモの始まりかもしれません。ロコモを防ぎ、いつまでも健康で自立した生活を営むためには、「動けるからだ」を維持することは不可欠です。

3健康長寿のポイントは筋肉を維持すること

「動けるからだ」づくりのためには、筋肉を維持することが重要です。しかし、何もしなければ、筋肉は加齢とともに1年で約2%ずつ減少すると言われています。ですから、体を動かさなくなると筋肉が減ってサルコペニアが起こり、より体を動かすのがおっくうになり、食欲も落ちて栄養不足になり、さらに活動量が減って認知症やうつの発症にもつながるというように、筋肉量・筋力の低下が悪循環を招きます。

また、最近の研究では、1日のうち座っている時間が長い人ほど寿命が短いということも明らかになっています。疲労感や転倒への不安などもあって動かない生活をしているとロコモやサルコペニアのリスクが高まってしまいますから、高齢になっても筋肉を積極的に動かすこと(筋活)を心がけましょう。

また、運動不足は生活習慣病や認知症の発症とも密接な関連があります。骨や筋肉は単に体を動かす組織というだけでなく、エネルギー代謝にも関わりますし、ホルモンを分泌する人体最大の内分泌器官であることもわかってきています。それほど筋肉は全身の健康に重要な役割をはたしており、健康長寿のためには筋肉を維持することが重要なのです。

筋肉づくりのためには、筋力トレーニングが必要ですが、トレーニングは一度に頑張ってハードにやればいいわけではなく、自分に合った適切な方法で定期的に続けながら、負荷を徐々に上げていくことポイントです。また、それに見合う食事・栄養も意識することが大切です。トレーニングによって、80歳以降でも筋肉は鍛えられることがわかっています。いつまでも「動けるからだ」づくりをめざして、ぜひ運動を習慣化し、健康な毎日を過ごしてください。

やってみよう
ロコチェック

(1つでも当てはまればロコモの心配あり。トレーニングを始めましょう)

  • 片足立ちで靴下がはけない
  • 家の中でつまずいたりすべったりする
  • 階段を上がるのに手すりが必要である
  • 家のやや重い仕事が困難である
  • 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
  • 15分くらい続けて歩くことができない
  • 横断歩道を青信号で渡りきれない

日本整形外科学会より

グランクレールのロコモ予防運動プログラム

グランクレールでは、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科監修のもと、科学的根拠に基づく方法で運動メニューを実践しています。個人の能力に合わせたコースを選び、自分のペースで健康維持・向上を目指せます。

  • 1体操教室

    週1〜3回、継続して体操教室に参加します

  • 2体力測定会・歩行姿勢測定会

    現在のロコモ度や筋肉の状態を測定します。歩行についても評価します。

  • 3結果説明会

    現在の体の状態やロコモ度を把握し、体力維持や向上に向けてお一人おひとりに合ったご提案をいたします